作詞/作曲_尾崎豊 編曲_町支寛二。
1992年、26歳という若さで世を去った尾崎豊デビューシングル「15の夜」。私が学生のころ、彼を支持する熱狂的なファンと露骨に目を背けるアンチ尾崎との溝は深かったように思います。あの熱さを受け入れられるかどうか。多くの人は受け入れて共に熱狂し、また、見なかったことにして避けて通る人も少なからずいて、、、。
どちらかというと私は後者。ドライな毎日を送っていた私に尾崎の歌はかなり暑苦しかった。教祖のように祭り上げられているのにも鼻白む思いでした。尾崎のファンて「信者」って感じだったんですよね。
いやぁ、言うまでもなく熱いです。ちょっとやり過ぎな感じはしますが、これだけの「熱」を持った歌手が今いるでしょうか?聴衆の心に突き刺すように歌える人がいるでしょうか?言葉で相手をねじ伏せる力を持つ「(自称)アーティスト」は何人いますか?
好き嫌いは別にして、彼はやはり特異な才能を持った歌手であったと思います。歌なんて所詮、虚構の世界。それを現実かと錯覚させるような力、そんな歌手は今後なかなか出てはこないと思われます。
異論はあるかもしれませんが、尾崎自身は1stアルバム「十七歳の地図」の幻影とずっと闘っていたのではないかと勝手に想像します。このアルバムに収録されている曲はどれも素晴らしい出来。しかしこのテンションを維持していくのは困難なことだったろうと同情したくなります。クスリに溺れてしまったのも不憫でなりません。
太く短く。伝説と長寿は両立しないもの。80年代のみならず、日本の音楽史年譜に必ず書き込まれる歌手だと思います。
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