2013年10月10日木曜日

キッスは目にして! ザ・ヴィーナス

1981年(昭和56年)7月25日発売、同年間チャート32位。
作詞_阿木燿子 作曲_ベートーヴェン 編曲_井上大輔。


ザ・ヴィーナスの「キッスは目にして!」。曲はベートーヴェンの「エリーゼのために」。「エリーゼのために」って、昔よく電話の待受けに使われてましたよね?オルゴールみたいな音で。実家には黒電話の受話器を置く、ゼンマイ仕掛けのチープな機械がありました。

「キッスは目にして!」より20年ほど前、すでにこの曲は歌詞違いで世に知られています。1959年発表の「ザ・ピーナッツ」「情熱の花」。私の親世代はこっちでしょうね。このザ・ピーナッツのヴァージョンは、ヨーロッパで活躍した歌手「カテリーナ・ヴァレンテ」がフランス語で歌う「Tout L'Amour (PASSION FLOWER)」をカヴァーしたものです。


ボーカルのコニーさん、声も姿もセクシーです。子供の時分ドキドキしながら観ておりました。この時期のアイドルとはひと味違っていて(まあ当然ですが)、子供が観てはいけないのではないか、と、テレビの前で漠然とした後ろめたさを感じていた記憶があります。「ヴィーナス」というグループ名も、なんで「ビーナス」じゃないんだろう、と、そんなことが気になって仕方ありませんでした。

阿木燿子さんの歌詞、素晴らしいですね。歌い出し、1番の1行目は「罠 罠 罠」で始め、2行目に「恋」という言葉を使い、2番ではそれが逆になるという巧みな構成。それと曲終わり「〜恋する瞳」「〜瞳は心」「〜心は炎」ですよ。完璧じゃないですか。

最後の転調も秀逸。「キッスは目に キッスは目にして」この言葉を重ねるところで転調するのですけど、私が「あ、転調だ」と意識した曲は、これが初めてだったような気がします。それまでにも転調する曲なんてたくさん聴いていたはずなんですが、特に音楽の素養があったわけでもない子供にそんなのわからないですよね。

コニーさんぐらい説得力を持った歌、いまでは少なくなりました。

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