2013年10月13日日曜日

赤いスイートピー 松田聖子

1982年(昭和57年)1月21日発売、同年間チャート12位。
作詞_松本隆 作曲_呉田軽穂 編曲_松任谷正隆。


数ある聖子ちゃんのヒット曲の中でも、私のベストワンは「赤いスイートピー」。何度聴いても飽きのこない、アイドル曲というワクを超えた時代の歌になってます。聖子ちゃんの歌はどれも好きなんですが、これは別格。

作曲の呉田軽穂とはユーミンのペンネーム。「グレタ・ガルボ」をもじって付けた名だと、当時ベストテンか何かのテレビで聞いた記憶があります。聖子ちゃんのような、ど真ん中アイドルに、松任谷由実の名は出せぬ、ということなんでしょうか。


うーむ、完璧です。無駄な要素がひとつもありません。本物のスターというのは、歌の巧拙の議論など関わりのない、世俗から超越したところに存在するもの。聖子ちゃんはただ自分の声で普通に歌うだけで、他を寄せ付けない高みにおわす本物のスター。それにしてもこの声は絶品ですね。

この曲最大のチェックポイントは、1番Bメロの「何故 知り合った日から 半年過ぎても〜」の「半年」の歌いまわし。そこは2番(歌詞で書くと「チラッと」ですが歌い方は「あっ」で音符4つ)の譜割りと同じに「半年」の「」と「」を2つの音符に分けるほうが自然な気がするのですが、聖子ちゃんは「はん」と1音符で詰めて歌っています(そのため1番の音符は3つになり2番と合わない)。

こういう歌中の引っ掛かり、つまづきのようなものは曲のアクセントとなります。ただ右から左へ流れていくんじゃなく、心に足跡を残すのですよ。その足跡を確かめたくて、何度も聴きたくなるのです。この譜割りはユーミンの指示なのか、たまたま聖子ちゃんがそう歌ったのか。どちらにしてもステキな選択でした。「半年」という言葉が生きてますもんね。

あと、2番のサビが繰り返すところの、歌のクロス。私はこのクロスするボーカルというのが好きじゃないんですが、この曲は許せます。ここはクロスするのが必然だと感じるから。

繰り返しサビの歌詞は「好きよ 今日まで 逢った誰より〜」なんですよ。煮え切らない彼に対して「好きよ」と、彼女のほうから一歩前へ出るわけです。その想いが、間を開けずクロスして突っ込む歌とリンクして胸に迫ってくるのです。

かなり熱く、ひとりよがりの論を展開してしまいました。それでも言い尽くせないほど、魅力が詰まった歌なのであります。ノスタルジーからくる過大な美化だったらすみません。


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